ZS-90LとZS-90L改の大きな違いは?

ZS-90LとZS-90L改の違いは、排気効率、特に「抜けの良さ」や「管積」にあります。管積とは、排気ガスが流れるマフラー内部の容量のことで、排気量に応じた適切な管積を確保することで、効率よくエンジンの力を引き出すことが可能です。

例えば、排気量が低いエンジンには細いパイプの方が排気の流速が速くなり、慣性が働きやすいため、スムーズな排気が可能です。これにより、低回転域でのトルクやレスポンスが向上します。ZS-90Lは70cc〜90ccの排気量に適した管積を持ち、日常使用においてバランスの良い排気効率を提供します。

一方、ZS-90L改は100cc〜130ccまでのボアアップエンジンに対応するよう、管積を拡大して設計されています。これにより、より大きな排気量でも排気抵抗が少なくなり、高回転域での「抜け」が良くなります。この抜けの良さが、高回転時のスムーズなエンジン回転を可能にし、スポーティな走行感を楽しむことができます。

ただし、ZS-90L改が「高性能で速くなる」というわけではありません。抜けが良くなることでエンジンが軽やかに回るようになりますが、それが直接的にスピードやパワーの向上につながるわけではなく、エンジン特性に合わせた排気環境を整える役割を果たしています。

さらに、無理にZS-90L改を取り付けると低速域でトルクが落ち、乗りにくくなることもあります。特に低回転域ではエンジンのトルクが弱く感じられることがあるため、88ccの街乗りにはZS-90Lの方が適している場合もありますが、サーキット走行などであればZS-90L改をおすすめします。

今後90cc以上にボアアップを検討している場合は、ZS-90L改を推奨いたします。ボアアップ後の大きな排気量に合わせた管積設計が施されているため、エンジンの性能を最大限に引き出すことが可能です。

用途に応じて、最適なモデルをご検討いただければ幸いです。

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